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2020/08/23 14:17

Exway電動スケボー機種比較(X1, X1 Pro, Flex, Wave)

Exway社の電動スケートボードのラインナップには、一世風靡の薄型ロングボードがX1, X1 Pro(エックス1、エックス1プロ)の2機種、またより乗り心地を追求しデッキ柔軟性を高めたロングボードのFlex(フレックス)、そして一番最新は(リリースはまだですが)スモールタイプの小型電動スケートボードのWave(ウェーブ)があります。Waveは9-10月のリリース、出荷開始の製品です。また駆動モータに2方式を採用しており、ユーザーはHubモーター式かベルト駆動式(Riot)から選択できます。またユーザー自身で付け替えることができますので、そこもExway製品の魅力の一つではと思います。Hubとベルト式で速度はさほど変わりませんが、ベルト式の方がトルクが大きいのが特徴です。(ただトルクが荒々しく、ベルトやカバー等の補修品が後々必要になる頻度は多いかもしれません。)

カタログ値比較

どの機種がどうなのか、使用感も含めてのレビューは日本語ではまだ少なく、日本のユーザーにとっては情報が少ない製品であると危惧します。この情報が参考になることを祈ります。(下段に続く)
まず、それぞれの機種の主なスペック(メーカーカタログ値)を比較してみましょう。

〇ボード長さ:X1(920mm)、X1Pro(920mm)、Flex(940mm)、Wave(760mm)
〇ボード重量:X1(6.4kg)、X1Pro(6.9kg)、Flex(7.7kg)、Wave(6.9kg)
〇最高速度:X1(40km/h)、X1Pro(45km/h)、Flex(40km/h)、Wave(38km/h)
〇航続距離:X1(16km)、X1Pro(25km)、Flex(32km)、Wave(24km)
〇バッテリー容量:X1(120 Wh)、X1Pro(193 Wh)、Flex(259 Wh)、Wave(216Wh)
〇充電時間(標準|急速):X1(2h|35min)、X1Pro(2h45min|70min)、Flex(4h40min|90min)、Wave(3h|75min)
〇登坂性能:X1(30%)、X1Pro(30%)、Flex(30%)、Wave(30%)
〇バッテリー交換:X1(専門修理)、X1Pro(専門修理)、Flex(パック交換)、Wave(カセット交換)

極薄のスタイリッシュなデザイン|X1, X1Pro

極薄のデッキデザインである「X1」、「X1 Pro」。その可憐なフォルムに惹かれたユーザーも多い製品です。この薄さの中にバッテリーも内蔵させてこれだけの高性能さを引き出していることに驚きがあります。一度手にとればデザイン的なシンプルさに隠れた性能に関心することは間違いなしです。洗練されたデザインという意味ではExway製品の中でもダントツでしょう。X1は走行距離がカタログ値であることを考慮して実質10km前後としても、早ければ1時間程度でバッテリー消耗してしまうレベルですので物足りなさがある場合はProをご検討いただくのがよいかと思います。

走行距離(航続距離)について|最長は、Flex

もっとも走行距離が長い機種は「Flex」です。X1, X1Proの薄型は搭載できるバッテリーに限界があり、Flexでは薄型デッキを捨て、バッテリーパック型に設計変更しています。またSONY製の高性能バッテリーを採用したことで充電容量はかなり伸び、その分走行距離も稼いでいます。(注意! 上記、あくまでメーカーが理想条件で出しているカタログ値ですので、必ずしも実際の走行時に数値通りの性能が期待できるとは限らない点に注意が必要です。海外も含め、様々なユーザーレビューを見ると、走行距離に関する実際の数値はカタログ値の7掛け前後程度と見た方がよろしいと思います。)

最速は「X1Pro」

最高速度は、X1Proが最速。45km/h(時速45km)でシリーズ最速です。だだし、どの機種も時速40km前後が出せますので、余程最高速度に固執しない限りはそれほど大きな差ではないように思います。

駆動システムの選択肢|Hub式と、ベルト(Riot)式の2択

ユーザーは、インホイールモーター(Hub モーター)タイプか、ベルト駆動式の強力モーターか、2つの種類のドライブトレイン(駆動モーター)を選択できます。ベルト駆動式(Riot)の方が少し割高ですが、トルクが強く、荒れた路面でも粘り強い走りが期待できます。
X1機種は、Hubタイプのみで、ベルト式はサポートしていません(使えません)。選択できるのは、X1Pro、Flex、Waveの3機種だけとなります。またその他の違いとして、Hubモーターのモーター音は比較的静寂ですが、ベルト式のモーターは比較的に回転音に大きさがあります。またベルト式ということでゴムベルトでモーターとウィールのギア回転をつないでいますが、このゴムベルトが消耗品として生じます。また一応駆動部分へのカバーはついていますが、砂、砂利、飛び石、段差走行時の接触(モーターが外部に飛び出ている為)等、Hubモーター式に比べると故障率は若干高めである点は否めませんのでご注意。

デッキ柔軟性、走行安定性、操作性の高さは「Flex」

Flexは、デッキの柔軟性を重視した設計がされており、走行時の振動吸収性、段差衝撃吸収性が高く、安定した走りが売りです。デッキの柔軟性が体重移動によるボードの操舵性にも自由度を与え、他の機種にない操縦性が得られる機種です。またデッキ形状に隆起を持たせる等して、ユーザーに対して立ち位置(足位置)を体感的に伝える試みなど、色々工夫が施されています。この思想はWaveのデッキデザインにも受け継がれています。

バッテリーパックの採用|Flex、Wave

搭載されるバッテリー容量は、走行距離に直結します。ただし搭載できるバッテリー量にもスペース的に限界があり、そのため、予備バッテリーへの交換という考え方が出てきます。それを実現しているのが「Flex」と「Wave」の2機種です。またバッテリー不具合、寿命、劣化等の際のメンテナンス性を考えた場合も、その交換性が一つのポイントになります。
X1、X1Proの2機種は、バッテリーをデッキ内部に内蔵する設計のため、走行中にバッテリー残量がなくなったからと言って、その場で追いそれと予備バッテリーへ交換するわけにいきません。交換が必要な際は、知識をもったエンジニアが交換しなければいけない修理作業が必要になります。その点、FlexとWaveは、ユーザーでも交換しやすいよう、バッテリーがデッキの外部への取り付け式になっています。Waveは完全にカセットカートリッジ設計されてますので、取り外しと取り付けが非常に用意ですが、Flexはパッケージ化はされてますがボルト固定されており、ユーザー自身で交換はできますが工具を10-15分程度の交換時間を必要とします。メンテナンス性は向上しましたが、長距離ユーザーへの予備バッテリーの観点からは少し優しくない設計かもしれません。(デッキの柔軟性を売りにしたFlexは、カセットカートリッジ式のバッテリーは構造上の強度問題で採用できなかったのかもしれません。

写真:上段はFlexのバッテリーパック。下段は、Waveのカセットカードリッジ式のバッテリーパック。